私たち東京シンコーレザーでは長年にわたり「PVCレザー」を扱ってきましたが、2024年に制定された新しいJIS規格により、『革』『レザー』という用語の定義が制定されました。
これにより、『革』『レザー』という用語を、人工皮革・合成皮革・皮革繊維再生複合体以外の人工的な材料の名称に使用することは、JIS規格に適合しなくなりました。
JIS規格には法的強制力はありませんが、これに準じた場合は弊社の扱う塩化ビニール樹脂素材は「レザー」と呼べない事になってしまいます。
しかしながら、「ビニールレザー」という名称が非常に一般的で、業務をする上では他の言葉で言い換える事が難しい為、我々は今後もレザーの名称を使用することといたします。
その上で、改めて【本革】と【PVCレザー】の在り方を考えたいと思います。
革製品は、はるか昔から人類の生活に用いられ、丈夫でエイジングも楽しめるロングライフな素材です。皮を革製品として活用することは、脱炭素にもつながるエコでサステナブルなサイクルです。
一方、PVCレザーの原材料は塩素が60%以上を占め、石油由来が少なく、高い耐久性がある点において、環境に配慮された素材と言えます。また色や柄が豊富で、意匠性に優れた高付加価値素材です。本革と同様にインテリア、生活雑貨等に多く使用され、人々の生活には欠かせません。
以上からビニールレザーは本革を模した代用品ではなく、異なる用途・特徴を持ったまったく別の素材で、適材適所で使い分ける事によって補い合うべき関係だと考えます。
本革との大きな違いは、ビニールレザーは育てる事ができず、「経年劣化」してしまい、耐久性に劣る事があげられます。
前置きが長くなってしまいましたが、この劣化を遅らせる事で、弊社のPVCレザーの寿命をより延ばす事が可能となりますので、是非これから紹介するお手入れを実践してみて下さい。
PVCレザーの最大の敵は、ホコリと油分です。
1.定期的な乾拭き
柔らかい布で表面のホコリをさっと拭き取ってください。
ホコリがシボに溜まると、湿気と混ざって表面のベタつきの原因になります。
2.汚れたらすぐ拭く
撥水性に優れているので飲み物などをこぼした際は、拭き取ればほとんどの汚れは落ちます。
ネット検索やAIが教えてくれる方法に「中世洗剤」が必ず出てきますが、油汚れにたいしては「アルカリ性」洗剤を用いるのが一般的です。
その為、市販の洗剤の大半がアルカリ性です。
では中性洗剤とは具体的に何を指しているのでしょうか?

ドラッグストアで確認できたのは「ウタマロ」と「泡クリーナー」の2商品だけでした。
しかしながら、この商品しかビニールレザーのお手入れに使えないというわけではありません。
むしろ「アルカリ電解水」などの弱アルカリ性の合成洗剤もご使用いただけます。
1.固く絞って拭く
柔らかい布を濡らし、固く絞って洗剤をつけてから全体を拭きます。
2.水拭きで仕上げ
洗剤成分が残らないよう、別の布で水拭きします。
3.完全乾燥
最後に乾拭きをして、湿気を飛ばします。

下記の事象を避けることで、PVCレザーの寿命を延ばすことが出来ます。
1.直射日光・高温を避ける
表面が硬くなったり、ひび割れ(クラック)の原因になります。
2.有機溶剤(アルコール・除光液・シンナー)の使用を避ける
表面のツヤが消え、溶けてしまうことがあります。
3.ビニール製品との密着
「可塑剤(かそざい)移行」という現象で、色が移ったり癒着したりします。
PVCレザーは、神経質になりすぎず、汚れたらサッと拭くという「気軽な付き合い」が一番の長持ちの秘訣です。
日々の細かいお手入れを是非、実践していただきたいと思います。