夏の暑さは年々厳しくなっており、暑い時期が長くなっているように感じます。
世界的な気温上昇、いわゆる地球温暖化の影響により、日本でも猛暑日が増え、暮らしの快適性への関心が高まっています。
エアコンや断熱といった住環境の対策は広く知られていますが、意外と見落とされがちなのが「家具の体感温度」です。
特にソファは、長時間体に触れる家具であるため、素材によって座り心地が大きく左右されます。
特に合成皮革のソファを使用している方からは、「夏に座るとソファが熱い」「長時間座ると蒸れてしまう」といった声も少なくありません。
では、なぜ合成皮革は熱く感じやすいのでしょうか。

一般的な合成皮革は、布地の上にポリウレタン(PU)やPVCなどの樹脂をコーティングして作られています。
このコーティングによって汚れや水分に強く、お手入れがしやすいというメリットがあります。
そのため、家庭用ソファだけでなく、店舗や公共施設の家具など幅広い用途で使用されています。

しかしその一方で、表面の樹脂層は空気や湿気を通しにくいという特徴があります。
そのため、
・体温による熱がこもりやすい
・湿気が逃げにくく蒸れやすい
・日光が当たると表面温度が上がりやすい
といった理由から、夏場には「座ると熱い」と感じることがあります。
特に近年は猛暑日が増え、室内でも体感温度が高くなりやすいため、家具素材の快適性がこれまで以上に注目されるようになってきました。
こうした課題を解決するため、弊社では熱くなりにくい合成皮革素材の開発に取り組んできました。また、合皮本来のメリットである
・汚れに強い
・水拭きができる
・耐久性が高い
といった特性はそのままに、快適性を高めることを目指しました。

下図はビームランプによる温度上昇抑制試験データになります。

このような特徴から、近年では家具用途だけでなく、さまざまなシーンでの活用も検討されています。
例えば、山岳地帯の観光施設では、登山用リフトの座面への採用事例が生まれています。
屋外に設置される設備では、直射日光による温度上昇が大きな課題となりますが、熱くなりにくい素材は利用者の快適性向上につながります。

また最近では、
・アウトドア用クッション
・プールサイド用ソファ
・屋外施設のベンチ
などへの応用についても、多くの問い合わせをいただくようになりました。
屋内だけでなく、屋外環境でも快適に使用できる素材として、活用の可能性が広がっています。

これからの住環境では「変化していく環境への対応」がますます重要になっていくと考えられます。
その中で、家具素材も単にデザインや耐久性だけでなく、快適性といった視点も求められるようになっています。
熱くなりにくい合成皮革は、こうした時代のニーズに応える新しい素材の一つです。
ソファやクッションといった身近な家具の快適性を高めることで、より心地よい暮らしの空間づくりに貢献していきたいと考えています。
今後も、快適性と機能性を両立した素材開発を通じて、さまざまな生活シーンに新しい価値を提供していきます。
